欠乏のしっぽ切り
衣食足りて礼節を知る、なんて当たり前。
マズローの五段階欲求。衣食住が確保され、安全が確保され、好ましい組織に所属、もしくは関係し————さらに諸条件が整えば社会的に貢献もするし、自己実現にも努めるそうです。
確からしい理論ですが、甘えるな、と批判されること請けあい。
貧乏で家がなくても施しをする人間はいます。欠乏を満たさずとも、ピラミッドの上には登れますよ。ただ多数派がそうでないだけです。科学や理論において注意すべきことは、多くの場合それが普遍性を持つか否かに焦点が置かれて発表されている、というこ点です。換言するなら、再現性が他のケースより高い、という程度に過ぎません。
アドラーは言います、全部欲望の言い訳だと。
できない理由を探すより、できる手段を見つけましょう。
ただ、その上でできない理由を引っ張り出して人質に取る方が都合がいいことはよくあります。だから、欲求は三角錐の形を維持し続けるに違いありません。そのピラミッドに眠る王はいないのに。