躍動の残骸

雪が積もっている。

マンションよりもタワービルよりも高くからきらきらと光を反射させて落ちてきたそれが、同じように落ちてきた残滓たちにくっついて、それが無数に結束して、白い厚みになって、でもそれは排ガスに塗れて、あるいは踏みつけられて、薄黒く汚れて放置されている。

止まってしまったからだろうか。

勝手に作られ、靡かれ、照射され、そしてただただ重力に従ってきた彼ら。

植物が密かに維管束と葉脈とを駆使しして躍動しているのに対して、雪の塊はそれ以上の想いを沸かせない。意思は美しい。