付加価値の衣

『田園調布で“偽ブランド販売”…「エルメスのバッグが7000円」男を逮捕』(FNN PRIME)

 

”ブランド”とは、作られたものであり、イメージの世界。それを手に取った人が思い入れを持ち、他の製品と差を見出していれば、偽ブランドは新しい”ブランド”になる。ただの詐欺・偽装犯罪ですが、この手の犯罪が取り上げられるうちは平和というか、豊かだと思う。

持ち物や装飾品、経歴に至るまで、ブランディングをしないと気が済まないのは、最低限満たされた人間の欲求段階。逆に、全ての商品・サービスが画一化された見方をされれば、経済発展はないわけで、マッチポンプではないけれど、偽ブランドという悪が参入することで、”本物志向”は強まり、適度な緊張感を持ってブランドが維持されていくという見方ができる。業界では、偽物が広まり、本物の価値を疑われる事態にまで陥っていると聞くが、本物の価値をそれで誤認するような人が多いということは、皮肉。

豚に真珠を貶すつもりはないが、真珠が溢れすぎた世の中に、豚が追い付けなくなっているのは事実なのであって、情報社会化も相まって、創られたものに振り回される人類が豚であることを見直す時代は、いつかやってくるだろう。

その時、豚は次なる”人類”にブランディングされる。