ホラー会2

今日もホラー映画の感想です。やはり趣味の話は展開しやすいので。

 

the EYE (アイ) デラックス版 [DVD]

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面白さ 5/10

怖さ  5/10

 

感想

 

結構王道たるホラー。どちらかというと、呪怨とかと発想が近い。突然登場する絵的な恐怖が緊張感を持続させるタイプ。見えてはいけないものが見えてしまう恐怖を描く作品だが、終盤は世界を救うSFみたいな作品になっていた。正直ホラー路線で攻めた方がまとまりがよかったのでは、と思う一方、映画としてクライマックスを設けたかったという制作の意図も一考の余地がある。本作の演出で好きなのが、電車の窓に映る霊の演出。決してけたたましく音を鳴らしたりズームしたりするような下品な演出ではなくて、「見えてしまった」という感じを上手に表現しているさりげなさが好印象。強いて言えば、作品としてお悍ましさがなかったため、怖さも面白さも中くらいになっているが、「見えること」を、宿命的、ドラマ的に解釈するよう方向付けされた本作は、切なさを意識して作られていると思われるので、これも仕方ないと思う。趣味の世界。個人的にホラー映画に求めていない要素なのでこのような評価になったが、カット毎の演出は上手だし、面白い映画であることにも違いない、及第点の映画。

 

今更だが、批評家は嫌いです。他人が精魂と時間と金を投資して創った作品(映画であれ、小説であれ、理論であれ)を、科学的な分析を経ずに感情論で偉そうに、それも対等でない立場から一方的に指摘する様は、得心が行かない。人は毎日どこかで何かを批評しているもので、それは人間に感情がある以上否定するような行為ではないのだけれど、公正でない立場から公表することに、不正義を感じる。本部を書いて再確認した。何が「及第点の映画」だと。しかしこれからも続けると思う。楽だし。この感想文を真に受ける閲覧者もいないから。こうした行為決定の背景には、嫌いなことをする以上に好きなことがあるはずで、人が合理的な存在であるなら、効用の高い選択肢を選んでいるはずなのだ。従って、この感想文を書き連ねることは、人の合理性に対する生理学的証明に他ならない。